福岡県・済生会飯塚嘉穂病院様

登録日:2019年9月26日

 

回は、福岡県済生会飯塚嘉穂病院を取材させて頂いた。同病院は、16科197床を有する地域連携・地域密着を理念とした病院だ。福岡県の中央に位置する筑豊地区、その筑豊地区のなかでも真ん中に位置する同病院は、まさしく地域の中心的病院のひとつである。
 築後8年の新しい建屋は、暖かな自然光が入り、とても朗らかな雰囲気であった。入り口からすぐの場所に、地域にまつわるアート作品が飾られており、自然と目が奪われる。飯塚嘉穂の魅力を再発見・再確認し、この地域・病院にいることを快適に思ってほしい、という思いが込められている。
   
        飯塚嘉穂病院外観        院内のアート作品         飯塚嘉穂病院 内観

 「私はせっかちな性格なので」

 そう語るのは、同病院の院長を務められている迫院長だ。スピード・即断即決”をキーワードに病院経営や職員の意識改革に注力されているとお聴きした。着任当初より、 “職員のモチベーションを上げる“ことを目標として掲げられ、職員一人ひとりに挨拶をして回ったとのこと。やると決めたことをすぐに実行するスピード感と、そのアグレッシブさに、感銘を受ける職員も少なくない。可能な限り現場へ足を運び、問題が発生すれば直ぐに解決させる。職員から尊敬されるその人格と、優れた経営手腕を併せ持つ迫院長は、まさにカリスマ的存在と言える。

 “済生会”について伺った。
「当院は、公立病院とも、民間病院とも違います。“公的”病院としての役割を担っています」
明治44年に明治天皇の済生勅語によって設立された済生会病院。以来、全国40都道府県に済生の心が引き継がれ、“公的”医療機関として多くの事業を行っている。真に公であるために、無料低額診療事業を推進したり、紹介・逆紹介を駆使し地域包括ケアシステムの充実を図ったり、と多くのことに取り組まれている。最近では、施設関係者向けの相談ホットライン“なでしこホットライン”を開設した。終末期のケアに関する不安など、さまざまな医療に関する悩みや疑問に、済生会地域包括ケア連携士が相談に応じるものだ。患者だけではなく、医療機関に対しても公である姿は、公立病院とも民間病院とも違う、公的病院である病院だからこそ出来ることなのだろう。

「まずは地域の方々に知っていただくことを大事にしています」
迫院長と同席いただいた、久良知事務部長は穏やかな口調で語り始めた。同病院は緑豊かな自然に囲まれた場所に位置している反面、繁華街より少し離れているため“知名度が低い”という悩みがあるという。それを解決するべく、広報専任者を任命し、日々、名前を知ってもらうための活動を促進しているとのことだ。済生会健康フェアという地域ぐるみのイベントを企画し、第1回は1,800名、第2回は2,400名と大きな反響を得られた。地元の保育園・幼稚園の児童の発表会やお仕事体験などをプログラムに盛り込み、三世代が楽しめる構成だ。『毎年、たくさん方が来場してくださるんです』、と久良知事務部長は顔を綻ばせた様子で語っていらっしゃるのが印象的だった。

 ところで、かつて飯塚市がある筑豊地区が、炭都(たんと)と呼ばれる程に、炭坑事業が活発だったことをご存知だろうか? 戦前の日本では、全国50%以上の石炭を筑豊地区の炭田から掘り出したこともある、と記録が残っている。しかし時代は令和となり、筑豊地区は新たに “爆破イベントができるまち”という全く違う形で全国への発信を始めた。同年8月25日に放送された“林先生の初耳学”という番組で、変わった町おこしをしている地域として、筑豊地区が紹介された。そのとき、爆破イベントができる場所の中に、同病院も取り上げられ、実際に敷地内で爆破イベントを行っている映像が流れた。病院と爆破…、真逆のイメージがあるが、どういった経緯で許可をされたのか、お聞きしたところ
「うちは東京ドーム2個分の広い敷地がありますから使ってもらわなくては。町おこしは大事ですから、すぐに使用許可をだしました」
 ここにも、迫院長の“即断即決”が体現されている。炭鉱から爆破へ、筑豊地区の新たな町おこしが成功することを祈るばかりだ。

迫院長と久良知事務部長

 そんな済生会飯塚嘉穂病院に導入させていただいたシステムは、PACS(ShadeQuest/Serv、ViewR)、所見システム(ShadeQuest/Report)診断RIS(ShadeQuest/RIS)のラインアップだ。平成31年3月に、ご縁があって他社システムから更新いただいた。

 導入して6ヶ月が経った今、現場での声をお聞きした。

「いつも、うちの運用に合わせた提案をしてくれるんです」
 放射線科・光森技師長は、軽快な口調で話す。担当営業が、かつてエンジニアだったこともあり、 “よりよい運用のため”を軸に提案を進めていた。その想いが、お客様にも伝わっていることは、とても嬉しく感じる。営業とエンジニアが協力体制を取り、お客様の立場に寄り添った提案をすることが、弊社の使命の一つであることを強く実感した。これからも、そう感じていただけるよう、日々精進していきたいと思う。

「横河のイメージは ①PACSの老舗 ②ちゃんとしている ③でも、高い でした。
うちのような施設を相手してもらえるのか、本当に心配でした。」

 弊社は横河医療ソリューションズ株式会社(以下、横河医療)の総合代理店として、九州一円で活動している。横河医療のシステムが導入されている病院の多くは、大学病院や多くの病床を抱える大病院が名を連ねる。そのせいか、“大病院向けのシステムで高価なイメージ”を持つ方も少なくない。だからこそ、“地場密着”を合言葉に、大学病院でも導入されるちゃんとしたシステムを、可能な限り寄り添った規模で提案できるよう、考えに考えを重ねている。

 放射線医が書いた所見を見逃してしまい医療過誤が発生した、というニュースは記憶に新しい。この見逃しを防ぐために、横河医療は所見システムに“既読管理機能”というものを標準搭載している。依頼医が所見を確認した際、“確認しました”というボタンを押すことで、所見の既読有無がわかるようになっている。放射線医は所見が読まれたことを確認することができ、依頼医は既読情報が残ることで、所見を読むことにより一層の責任が生まれるということだ。他の病院でも評価の高い機能のひとつだが、光森技師長からも
「目の前のことばかりでなく、先まで見通した機能を一歩先に提供する。横河さんで間違いなかったと思います。」
と、有難い言葉を頂戴した。
「システック井上さんは、これがすごいですよね」
と、光森技師長は自分の腕を叩いた。
「なんでも知ってますもん。聞いたらすぐに、解決しちゃうからいつもびっくりしちゃいます。自分から作業をお願いした後に、伝え忘れたと思って聞いてみたら、それも終わってますと平然と返してくれるんです。1言ったら、10で返す。まさにこのことですね」
 弊社の強みである「エンジニアの技術力」と「長年の対応で培った現場対応力」をご評価いただいた非常に嬉しい一言であった。ご依頼頂いた際にそのまま対応するのではなく、この対応をやって本当に問題ないのか、この対応の真の目的は何のか、他の解決案はないのか、様々な角度より思考を巡らせ、最も有効と考えられる対処を行う、いつも弊社エンジニアが心がけている部分であった。

 最後に、放射線科の現場にお邪魔させていただいた。役職に関わらず、わいわいとお話をしている様子から、素直に「仲の良さ」を感じ取れた。弊社社員にとっても、 “楽しく訪問できる場所”なのだろう、素直にそう感じた。

 人とモノ(製品)をお褒めいただき、非常に嬉しく感じた。光森技師長の言葉に、思わず担当営業もにっこりと笑みを浮かべた。迫院長のようなスピード感とアグレッシブさを見習い、少しでも済生会飯塚嘉穂病院へ貢献できるよう、営業・エンジニア、一丸となり邁進していこうと思う。
     
       放射線科一同(向かって左上が光森技師長)        診断RISを操作する様子
 
 
 
 
 
 
 

■炭坑王の住処 旧伊藤伝右衛門邸宅

 炭都・飯塚には、炭鉱王と呼ばれる傑物たちがいた。そのうちの一人である、伊藤伝右衛門の旧邸宅を見学した。25歳の若き妻を迎えるにあたり、日本建築の粋を結集させて改築した邸宅となる。和洋折衷がふんだんに散りばめられた、炭鉱王の名にふさわしい、さながら御殿のような造りとなっている。平成18年には飯塚市有形文化財に、平成23年には国からの名勝指定を受けている。名勝指定とは、芸術上または鑑賞上価値が高い土地に贈られる、誉れ高い文化財の種類のひとつだ。

     
            名勝指定された庭園             旧伊藤伝右衛門邸宅 玄関

■古き良きソウルフード 味覚焼

 飯塚には昔から愛される、いわゆるソウルフードというものが存在する。見た目はたこ焼きのようだが、なんとタコは入っておらず、ソースではなく醤油で食べるのがおすすめだという。お好み焼きとも、もんじゃ焼きとも言えぬ不思議な味が、味覚焼と言われる所以だろうか。手狭な店内ではあるが、ひっきりなしにお客さんが入ってくる様子から、地域に愛されていることが分かった。

           
               味覚焼 外観          ソウルフード 味覚焼

                                      以上 (取材日:令和元年9月11日)