鹿児島県肝属郡医師会立病院様

登録日:2016年2月26日

 
 『ヒールで登ってきたとね、大変かねー』
 九州最南端の地、佐多岬で声をかけていただいた。車を降りたらそこが岬、という浅はかな考えは実に愚かだった。まさか車を降り、駐車場から2kmも歩くとは・・ 山道は自然を残し、植物たちはここぞとばかりに伸びやかに根を張り、青々と葉を茂らせていた。現実離れしたその風景に、思わず感嘆の吐息を洩らしてしまった。
 道の途中、たくさんの歩行者と話をした。
『こんにちは。道中の景色も良かとよ。』
『お疲れさん。ここの木は変わっとるのばっかりねー。』
老若男女問わず、皆、非常に楽しそうだ。

【佐多岬 看板】      【佐多岬 近海】

 肝属郡医師会立病院は、海岸沿いに緑を彩るソテツ群と、紺色の深い海の南国景色を目の前に、鹿児島県大隅半島の南部に位置する。1981年1月、高齢化・過疎化からの地域医療崩壊を防ぐことを目的に開設された。14科197床を誇り、地域の基幹病院として構える。以来35年間、「健康で暮らしやすい地域づくり」を目標に、地域医療へ貢献し続けている医療施設である。
 さらに、「病気を持ちつつも自分らしく過ごし、生活の質を重視させた、在宅医療連携拠点の取り組み」に対しても、積極的に力を入れている。

【病院外観】          【病院看板】

『どんどん高齢化が進む中、今後、在宅医療は必須になってきます。
 また、「老老介護」世間を騒がせた言葉もあったけど、今は「認認介護」が増えつつある。
 地域医療の連携は、これまで以上に、情報を密にやり取りしなくてはならないですね。』
 この病院に11年勤める、診療情報管理係の平さんはそう語る。
 現在、県内高齢化率第1位(南大隅町 43%)、第2 位(錦江町 40%)の2町を支える、この病院が置かれる医療の実態。実は、「都市部の10年後の姿」と呼ばれているのだ。高齢化問題へ肝属郡がどう対応するのか、今後の日本の医療モデルともなり得る。
ちなみに、「認認介護」とは、漢字のとおり、軽度認知症患者が、より重度の認知症患者を介護することを示す。80歳以上の認知症出現率は20%になるため、夫婦ともに認知症になる確率は8%… つまり11組の夫婦の1組が認認介護となってしまう。
 『倒れてしまったら、まず身元が分からないことがあってね。そうなると、どの情報を信じればいいのか分からなくなる。 患者が話す情報だけを鵜呑みにしたら、医療ミスも起き得るだろうね。』
 認知症患者が自分の名前、年齢や住所を正しく述べることができないと、きちんと情報を参照できない。
 しかし、自治体や介護機関にある情報を共有し、参照・確認することで、もしもの時の患者特定が容易になるのだ。今後、実現できれば、医療安全の向上にも繋がる内容だった。

【診療情報管理係 平さん】

 そんな肝属郡医師会立病院で導入した弊社システムは、PACS(ShadeQuest/Serv、ViewR)、Report(ShadeQuest/Report)、検像(ShadeQuest/KENZO)及びワークリスト(ShadeQuest/Work)の構成となっている。2015年9月に、旧システムからの大幅リプレースを行い、放射線部門を横河製品に揃えた。結果、システムの連携が密になり、業務も容易となり、診療情報管理係にくる質問や要望も減っていると聞いた。

【サーバ】

 『入れ替えて、まだ3ヶ月ですか。もう少し、長く使っている気がする。』
 放射線技師の渕さんは、開口一番、驚いた口調でおっしゃられた。直感性の高い画面はとても使いやすく、日々の業務にすっかり馴染んでいるとのこと。そのため、新しい先生へも伝えやすく、効率も上がった。特に、画像ビューアの売りである「ユーザごとに設定をカスタマイズできる」ところが、非常勤の先生方からも、お墨付きをいただいているらしい。
 また、システムと一緒に導入いただいたパブリッシャの評判も高いものだった。それまで、画像をCDへ書き出す為に、放射線科内の専用PCに付きっきりで対応していたが、撮影の合間に簡単に操作を行え、『作業効率がぐんと向上し、今後の検診シーズンも業務が苦ではなくなる!』と満足の笑みをいただいた。

【放射線技師 渕さん】

『前回の所見が見られるところ、あれ良いねぇ。』
読影医の宮地先生は、満足そうに、笑顔でお話された。毎日たくさんの患者さんの読影を行うため、ひとつの動作でも短縮したいところ。読影中に患者の過去所見が見たい…という時、すぐに検索・表示が行える画面がある。これは、多くの病院でもお褒めの言葉をいただいている機能だ。

【読影医 宮地先生】

 『鹿児島に事務所もあり相談しやすいし、質問してもレスポンスが早い。とても助かりますね。
 たとえ難しい要求でも「仕様です。出来ません。」と返答することなく、病院の為に何かできないか
努力し、考える姿が見えると、とても嬉しいです。』
 『物を売るだけではない、そんな心意気が伝わってきますね』
弊社を選定いただいた理由を、平さんよりお聞きしたのだが、その際の一言だった。思わず、弊社の担当営業の笑みがこぼれた。弊社は地域に根付いた営業・サービスなどを行う「地場密着」をモットーに活動している。その信念が、お客様に伝わっているのだ。担当営業として、これ以上のお褒めの言葉はないだろう。これからも、お客様にそう思っていただける担当・会社であり続けたい。
『本当に、システムやサポートが良いからの言葉で、リップサービスではないですよ。』
と、平さんが最後に付け加えると、明るい笑い声に包まれた。良好な関係が築かれていることがよく分かる。

 さて、話しは変わり、鹿児島の味覚を楽しませていただいた。鹿児島の味覚といえば、黒豚、黒牛、地鶏である。その中でも、最近は地鶏がアツイと聞いた。かごしま黒豚、鹿児島黒牛に続く、「第3の黒」として、地鶏「黒さつま鶏」が登場したからである。そんな噂の「黒さつま鶏」を、鶏刺でいただく。噛むごとに、口の中に脂の甘みが広がる。薩摩鶏の闘鶏の血も引き継いでいるため、程よい弾力と柔らかな食感を同時に楽しめる。今までの地鶏にはない魅力だった。

【黒さつま地鶏と黒牛】

 更に、肝属の味覚は肉だけでは終わらない。病院の前に広がる錦江湾。実は、日本全体の半分以上占める、「養殖かんぱち」生産量で日本一なのだ。
私たちは港市場へ隣接する食堂を訪れた。開店の15分以上も前に暖簾がかけられた。駐車場で待っていた私たちは、1番に入店することが出来た。かんぱちの漬け丼を注文し、待つこと2分。
『お待たせしましたー』と漬け丼がやってきた。あまりの早さに驚きながらも、口に運ぶ。白いご飯に、鹿児島独特の甘い醤油に漬かったかんぱち。美味しくないわけがない。開店時間となると、お店はすっかり賑わいを見せている。地元の人なのだろうか、店員の方と親しげに話す声が店内に響く。カウンターの前の海を眺めながら、口ではかんぱちを、耳では朗らかな声を楽しむ。このかんぱちの美味しさを、味覚だけではなく、視覚(客の多さ)でも思い知った。

【かんぱち丼】

『そうですね、肝属の良いところは、景色が綺麗なぐらいですかねー。』
インタビューの最後、平さんに肝属の良いところを質問すると、笑いながらそうお話された。しかし、その景色が息を吞むほどにすごい。現に、冒頭でも挙げた佐多岬に加え、雄大かつ簡単には近づけない力強さを持つ神川の大滝に、見惚れるような優しい翡翠色の滝壺を持つ雄川の滝、海の満ち干で全貌を現す真っ赤な荒平天神。そして、ひとつひとつが全く違う世界感を奏でており、本当に同じ場所なのかと疑うほどだ。

【神川の大滝】        【雄川の滝】         【荒平天神】

 そして、ここにいる人を包み込む暖かさ、そんなものが肝属にはある。会う人、話す人、誰しもが優しく、朗らかな人柄を感じた。それは明光風靡な景色からか、南国の暖かな気候からか、何が理由なのかは定かではないが、ただ、この地の健康を支える病院が、普段から笑いの絶えない雰囲気作りを行っていることも、そのひとつの要因ではないだろうか。
 佐多岬のパワースポットである御崎神社で、おみくじで引いた。見事に大吉だった。ここには縁結びの神が祀られているという。人も気候も暖かな肝属と、これからも良い関係でいられるよう精進しなさいというお告げかもしれない。

【御崎神社のおみくじ】

<熊本営業所 奥村春香 取材日:2016年1月13日>