福岡県・芦屋中央病院様

登録日:2017年7月31日

 今回の探訪では、芦屋中央病院を訪れた。同病院は12科137床を有する地域病院である。昭和51年10月、前身となる町立芦屋中央病院が開院した。その後、平成27年4月に現在の”地方独立行政法人 芦屋中央病院”へと変わり、平成30年3月には新病院への移設も予定されている。


     【芦屋中央病院 外観①】           【芦屋中央病院 外観②】

 今でこそ町の地域病院として頼られる芦屋中央病院だが、開院を巡っては、たくさんの荒波を越えた過去があるらしい。同病院の櫻井院長に教えていただいた。

【櫻井院長】

「“昭和40年代後半に署名活動があったんですよ。町立病院を作って下さい。”って」
 かつて芦屋町には小児科や眼科などが無かったり、夜間救急窓口が少なかったりと、地域住民が遠くの病院に足を伸ばす事になりバスの乗り継ぎが大変で、かなりの負担が生じていた。
 そこで昭和46年、町立病院を設立してほしいという要望書が、5,000名にのぼる署名簿とともに提出され、町民の熱い気持ちと切実な願いは、議会を動かし病院設立の道が拓けた。しかし、そこからも地域開業医の意見に対する説得や、常勤医師探しなどに時間を取られ結局5年後の昭和51年開院を果たした。

 現在、地方独立行政法人団体は900にものぼるそうだが、櫻井院長曰く、“その中でも黒字経営を行っているのは3割”とお聞きした。そのひとつが、この芦屋中央病院だ。しかも平成12年から驚異の連続黒字を継続されている。それだけあって他の法人団体や、地域取材では「どうやったら、そんな優良経営が出来るのか」と問い合わせが多い。こういった問い合わせが来た場合、櫻井院長は以下のように話すそうだ。

「この病院が黒字なのは、他でもない医師・技師・看護師・事務職員、すべての人が頑張ってくれているからです。だから、皆には感謝しています」

 経営を行う上でコスト削減は大事なことだ。しかし経営陣だけが意識するだけでは、決して達成は出来ない。だから櫻井院長は、直接現場の職員のもとに向かい、協力のお願いをしているのだという。
そして、コスト削減が達成された際には、きちんとお礼も言いに行くことを心がけていらっしゃるのだ。

「指示という言葉はあまり使いたくないです。医療に携わる人間として対等なんですから。
 だから、代わりに“お願い”って言葉を使うようにしています」
 確かに、私も業務上”指示”と命令されると、後ろ向きになってしまうことがある。しかし、“お願い”に変わると、“頑張ってみようかな”と前向きな気持ちに変わる。櫻井院長の優しく、真面目な人柄が現れる習慣だと思う。

「コスト削減の部分では、正直、診断RISを導入するのも最初はあまり乗り気では無かったけど…導入した評価は良かったですね」
櫻井院長はコスト観点から見た時、費用対効果は望めるのか? という疑問が強かったそうだ。
 実際、診断RISは請求には関与しないため、同じ考えを抱く方は少なくない。
 しかし放射線科スタッフがマンモ技師の資格を取得したり、技師間で勉強会を行ったり…という姿勢を見て気持ちが変わったという。
「こんなに画像撮影へ真摯に向き合っているのだから、業務内の雑用を取り除いて、全力で仕事に取り掛かれる環境を作りたい。って思うじゃないですか」
 この言葉には、隣に座って話を聞いていた放射線科科長・澤村さんもにっこりと嬉しそうな笑みを浮かべられていた。

 芦屋中央病院へ導入させていただいたシステムは、診断RIS(ShadeQuest/RIS)である。平成29年4月に、他社システムから更新いただいた。導入して3ヶ月が過ぎた本日、使い勝手や便利になった部分をお聞きした。

【放射線科の皆様】

 今回は、放射線科の皆様が全員参加の大変賑やかなインタビューとなった。
「操作はシンプルで直感的だから判りやすいですよ」
「これどうするんだ? というようなことがほとんどない」
 皆様、口々にそう話してくれた。嬉しいこと限りない。

 患者様の待ち時間削減にも一役買っているようだ。患者様は1日のうちに、複数件の検査を行うことが多い。それを技師側できちんと把握することにより、検査後の動きを、適切に提示することが出来る。そうすることで患者様やヘルパーさんは次の動きで戸惑うことがなくなり、検査の撮影準備もスムーズに行える、という話をいただいた。

「統計部分に関しては、これから学びたいので解らないことがあれば教えてください」
 放射線技師の業務の一つが統計だ。統計には、大きく以下2つの役割を持つ。
     ①病院や県に提出が必要な情報の統計
     ②業務改善に活かすための統計
 どちらも大事だが、2つ目の役割は放射線科の業務に直接関与する。モダリティの稼働率や患者様の待合時間の情報を読み取ることで、人員配置を考えたり、業務フローを見直したりということが可能になるからだ。
 業務負担の削減に寄与するのが診断RISである。 システムを提供するベンダーとして、日々進歩していく医療業界への勉強を欠かさず、すべてのお客様に貢献していきたいと強く思っている。

「面白い人が来てくれたなぁ、と思いましたよ」
 弊社社員の印象を聞いたところ、こんな答えが返ってきた。放射線技師である澤村科長は、写真が趣味だという。同じ趣味をもつ、弊社担当SEと会話が弾むようだ。他の技師によると、仕事の話より写真の話のほうが多いのでは?という面白い突っ込みが入るほどだ。
「人の外側を撮影するか、内側を撮影するか…の違いですね」
技師のお一人がつぶやくと、“うまい!”という声が飛び交った。澤村科長が放射線技師を続けているのは、天職なのだろう。今回使用している【放射線科の皆様】の写真も、澤村科長から譲り受けたものだ。素敵な笑顔が収められた写真で、明るい放射線科スタッフの雰囲気を伝えるにはぴったりだと思う。

 最後に、システム・人の対応など、全部を含めた弊社に対して、10点満点中の点数を聞いてみた。担当営業とドキドキしながら回答を待っていると、澤村課長より
「それじゃあ、9.5点にしておこうかな。残りの0.5点は期待ということで!」
と、非常にありがたい数字をいただくことができた。ほっと胸をなでおろし、0.5点の差を埋めることを約束した。先述した統計機能しかり、質問や問い合わせには真摯に対応し、お客様の身近なカウンターパートナーとして関係性を更に強化していきたい。

 本日は、ありがたいお話をたくさん聞くことが出来た。弊社導入システムを、このような温かい人達に使われていると考えると、とても喜ばしく誇らしい。これからも永くお付き合い頂けるよう、日々、会社一同精進していこうと思う。

以上
〈熊本営業所  奥村春香 取材日 2017年7月7日〉

 福岡・響灘に流れをもつ遠賀川河口に位置する町で、多くの歴史が凝縮されている。
ここからは、そんな芦屋町の魅力について聞いてみた。

【森田事務長】

「この時期の芦屋で凄いものといえば、花火かな。僕が子供の頃は他ではやってなかった」
 そう話してくれたのは森田事務長だ。母親の実家が芦屋町の山鹿にあったことから、幼少期から馴染みがあり、幼い頃に見た“あしや花火大会”を教えてくれた。“あしや花火大会”は大正時代から続く伝統の花火大会で、福岡県内でも3本の指に入るほどの歴史持つイベントなのである。遠賀川の両岸を渡る250mのナイアガラの滝花火など、多くの花火が芦屋町の夜空を彩る。同病院から近い遠賀川河口で開催され、病棟からもその花弁を見ることが出来るだろう。

「“あしやんいか”という芦屋ブランドのイカが有名になってきたね」
 ということで、そんな海の幸を堪能するためイカ月見丼と刺身定食をいただいた。ちょうど夏場が旬のイカが入荷していたようで、鮮度の高い透明なヤリイカをいただくことが出来た。刺身定食の方にも小鉢にヤリイカが顔を覗かせており、“ヤリイカ”無しでは芦屋の味覚は語れない。ということを思い知らされながらピチピチの“あしやんいか”を頂いた。

        【イカ月見丼】                 【刺身定食】

【芦屋町訪問ギャラリー】

       【川ひらた】               【遠賀川に架かる芦屋橋】
    明治時代に遠賀川を往来した船         芦屋町の中心を通る遠賀川と
   川を渡るため、底が平になっている        それを繋げる芦屋橋


      【芦屋の瓦】                 【茶釜】
  昔、芦屋には多くの瓦屋があった       室町時代には一世風靡した芦屋釜
  多くの家やお寺の屋根に飾られていた     国の重要文化財にも指定されている