宮崎県高千穂町国民健康保険病院様

登録日:2017年10月27日

 今回は高千穂町国民健康保険病院に取材させていただいた。同病院は10科120床を有する高千穂町の中核病院だ。昭和26年に前身となる高千穂町国民健康保険直営診療所が開設され、その歴史は66年にもわたる。平成に入ると、“地域医療の確保に重要な役割を持つ病院“に与えられる自治体優良病院表彰を2度も受賞した、名誉ある病院だ。

    【高千穂町国民健康保険病院 外観】     【高千穂町国民健康保険病院 玄関】

「それは、柴田名誉院長時代に受賞されたものです」
 現在、同病院の院長を務められている久米院長にお話を聞いた。柴田名誉院長は約30年間、院長をお務めになり、地域医療の発展・訪問診療の拡充に貢献されたそうだ。国の大きな課題である高齢化。高齢化のスピードが他地域よりも早く進んでいると聞いた。この背景には、若者の流出等も含まれる。

         【久米院長】

「この病院だけで、診察・入院など一連の医療を提供出来ることが、高齢化に対する対応だと思います。大きい病院で診てもらうとなると、延岡市や熊本市の病院しかないですからね」
 話に挙がった地域の病院までは、車で片道約2時間かかってしまう。長い時間の移動を要する通院は、高齢者にとってはかなりの負担になってしまう。そのため、同病院で、可能な限りの医療行為を行えることが、一番の負担軽減に繋がるのだ。
 また、平成26年に一般120床から一般60床・療養60床に病床再編成した背景にも、高齢化のキーワードが隠れていた。
「それまで、この病院は全て一般病床でした。でも一般だけだと、高齢者の長期入院が難しいんです。なので、箕田(みた)前院長時代に、病床再編成を行ったという訳です。そのおかげで多くの患者さんは転院せずに済みましたよ」
 高齢者の多くは慢性期の疾患を抱えており、入院するとなると、長期的な治療が必要になる。一般病床への長期入院は難しく、入院可能期間がオーバーした患者さんのことで頭を悩ませていた。そこで病床再編成を行い、長期入院も可能な病院に生まれ変わったのだ。この取り組みは功を奏し、病床利用率も上昇傾向にあるという。

 地域医療のため、多くのことに取り組んできた同病院。住民とのふれあいにも力を入れており、より親近感を持って頂くためのイベントを行っているそうだ。
「年に一回、”けんこうフェス”というイベントをやっていますよ。病院のお祭りみたいなもので、地域住民の方々に参加して頂いています」
 ”けんこうフェス”とは、毎年8月頃開催される病院主催のイベントだそうだ。子供向けの目隠しゲームや、縫合体験といった大人向けの行事も準備されており、まさに、老若男女、皆が楽しめる取り組みだ。その中でも特に興味深いのが”小学生による1日院長・1日総師長”だった。
「1日院長・1日総師長は人気の1つですね。小学高学年の子に参加してもらうんですよ。そういえば、面白いことがありましてね。第一回けんこうフェスで1日院長に参加してくれた子が、先日、中学生になって、職場体験に来てくれたんですよ。実に、感慨深いですね」
 高千穂で育った子が、高千穂で働き、家族を育む。そういった輪が高千穂町に根付いて欲しい。久米院長は最後にそう仰った。それが、高齢化への歯止めとなり、町の活気も高まる最善の案だ。
 弊社も、久米院長と同じく、“生まれ育った場所で働く”ということを信念としている。かく言う私も、熊本生まれ・熊本育ちの生粋の熊本人。私が地元・熊本で仕事が出来るのはとても幸せなことだと感じている。是非、高千穂町にも地元の人間が、町を興し、更に活気づけてもらいたいと切に願う。

そんな高千穂町国民健康保険病院に導入させていただいたシステムは、
診断RIS(ShadeQuest/RIS)であり、平成29年6月に、他社システムから更新いただいた。導入して5ヶ月が経過した本日、改めて現場の声をお聞きした。

「こういう僻地では、保守サービスの対応が遅くなるってことは、現実として、少なくはないです。
 でも、システックさんは対応が早くって…。そこが一番助かりますね」
「そう、そこですよ。機械やシステムなので、不具合や操作が分からなくなる…ってことは絶対あるんです。
 だからこそ、そういう時にどう対応してもらえるか、っていうのは大きいです」
 放射線科の甲斐さんと興梠さんは語気を強めて話す。
 放射線科内で撮影が遅延してしまうと、診療医の仕事も遅延する。結果的に、患者様への医療提供が遅延してしまう。病院全体の運用を支える放射線科の皆様の業務が、少しでも効率的に行えるよう、これからも精一杯、お手伝いさせていただきたい。
 また、弊社のモットーである“地域密着型サービス”を実感頂き、お褒めの言葉を頂けるのは、とても光栄なことである。

        【放射線科の皆様】

「画面の作り込みをしていただいたおかげで、とても見やすくなりました。当院技師と協力して、“より良いものにしよう”という気持ちが伝わってきます」
 システムの感想を聞くと、放射線科・石川室長からこのような答えが返ってきた。これはシステム稼働時に、興梠さんと弊社エンジニアの根気強い作り込みで実現できたものである。決して妥協しない気持ち、互いの意見を言い合える関係性、少しでも良い環境で使ってもらいたいという熱意、どれが欠けても実現しなかっただろう。

    【RISシステムを操作する興梠さん】

弊社社員の印象を伺ってみた。
「最初来た時は、“うわっ、派手めなエンジニアだ!”と驚きましたよ」と甲斐さんが言うと、放射線科・弊社社員、全員が思わず笑ってしまった。
「いや、でも会話していくうちに凄い人だなって思いましたよ!専門的な話をしても、理解してくれるし。対等に話せる感じがとても良いです」
 そういった印象だけではなく良かったと安堵しつつ、お褒めの言葉もメモした。甲斐さんは、システムに関して細かいところも気になるため、よく質問をするそうだ。そんな時、”細かすぎるかな”と自分で思うことがあるらしい。しかし、そういった質問も真摯に受け止め、回答するエンジニアに、強い安心感を抱いてくれているようだ。
「拡張性があるシステムだと思うので、改善案や他病院の運用があったら、是非教えてほしいです!」
弊 社システム・エンジニア・サービス員に多大なる信頼を寄せていただいていることを、本日の取材で強く実感した。この期待に応えられるよう、これからも熱い気持ちを持って、同病院をサポートしたいと思う。

 弊社システムをはじめ、電子カルテなどのシステム導入において、病院内の調整をされていた山口さんにもお話を伺った。
「代々の院長のお考えが大きいかと思います」

        【山口さん】

“油絵や幼稚園児の絵が飾ってあったりして、病院の雰囲気が明るいですよね”という弊社営業の言葉に対しての回答だ。院長のどういった考えが、この明るい雰囲気に繋がっているのだろうか。さらに会話を進める。
「箕田前院長も久米院長も、根っこの“患者様のために”という思いが一緒だと思うんです。明るい絵が飾ってあると、患者様の気持ちも明るくなるし、病院の雰囲気も明るくなるし。あと、絵にも個性があって面白いですよね」
 飾ってある絵画の作者は様々だ。地元高校生だったり、元美術教員だったり、高千穂を愛する住民だったり…。はたまた、幼稚園児が、病院で働くお父さん・お母さんに向けた、勤労感謝の絵だったり。山口さんが仰る通り、個性豊かで、とにかく見ている側が明るい気持ちになる。
「箕田前院長は就任されてから、意識改革と銘打って、職員一人ひとりと面談を行いました。どうなりたいか、どうあるべきか。事務職でこの病院に勤めていますが、考えることがいっぱいありました」「久米院長は、先程お話されたと思いますが、優しく、穏やかな人なんです。看護師や事務職員などの指導の際も、気を使って下さっているのが伝わってくるんです」
 先代の柴田前院長、箕田前院長、そして久米現院長―― 取り組みのバトンパスが綺麗に繋がり、職員一人ひとり、患者一人ひとりに伝わっているのだと感じた。

「最初に営業に来られた時は、とても熱い人が来たと思いました。私もシステム選定に深く関わったのですが、お金だけではない、“ここになら任せられる”という気持ちがあったので、選びました。これからもよろしくお願いします」
 最後に弊社への印象・言いたいことを聞いてみた。弊社営業を“熱い人”と例えられたが、私は山口さんも大変”熱い人”なのだと思う。この短い取材の間にも言葉の端々に、患者様のため・病院のため・病院職員のためを思う言葉が感じられたからだ。今後とも、この期待や思いに沿う様、精一杯尽力させていただきたい。

【高千穂町ってどんなところ?】
 高千穂町の観光マップを広げると、まず気になるのは神社の多さだ。その数、なんと28社。
さらに神社専用マップが用意されるこの地は、日本神話の町として、毎年多くの観光者が訪れる。
今回は、天照大神(アマテラスオオミカミ)、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)、猿田彦神(サルタヒコノカミ)、天鈿女命(アメノウズメノミコト)…といった、名立たる神様に縁のある地を訪問した。

■高千穂峡
 かつて、水の無い高千穂を見た雨村雲命(アメノムラクモノミコト)が天上から水種を移し、この地が出来たとされている。また、周辺の水は高千穂の上水道として利用されており、多くの町民に愛飲されている。御神水と呼ばれる水が、水道から出てくる…というのは、大変めずらしいのでは無いだろうか。


       【高千穂峡】                             【高千穂峡 石碑】

■高千穂神社
 瓊瓊杵尊・木花咲耶姫が夫婦で祀られており、農業・厄払い・縁結びを始め、広く信仰を集めている。
階段から神社を見上げる形の景色が絶妙。

        【高千穂神社】               【高千穂神社 境内】

 高千穂の町を歩くと、多くの家や店、また今回取材した高千穂町国民健康保険病院の玄関に、しめ縄が飾ってあるのに気付く。私の中では、しめ縄と言えば、お正月に飾り神様をお迎えするための物という認識だった。しかし、高千穂は神様が住む町であることから、一年中しめ縄が飾っており、いつでも神様を迎える姿勢にあるのだ、という。

■天安河原
 天照大神が天岩戸に隠れた際、八百万の神が会議を行った場所とされている。壁面にはぽっかりと穴が空いており、直ぐ側に、今にも神様がいるかのような、神々しさを感じた。

     【天安河原 外側から撮影】          【天安河原 内側から撮影】

■郷土料理(昼食:神楽宿)
 高千穂に伝わる民俗芸能である”夜神楽”。その神楽を舞う場所は神庭(こうにわ)と呼ばれ、彫り物(写真上部の白い紙)やしめ縄で飾りつけられる。
 そんな神庭を目の前に、食事が出来る”神楽宿”にて昼食をいただいた。実際に夜になると、この場で神楽が舞われていると聞く。さすが、神との交流を行う場だ。想像していたよりも大きい神庭は、厳かな雰囲気がある。
 高千穂の食材が使用された”神話物語”という御膳をいただいた。中でも四角皿・右上 の煮しめ料理は高千穂でも、”おもてなし”の時に出される料理だという。和食の良い部分を詰め合わされたような、あたたかく、美味しい味がした。

    【神庭 (神楽を舞う場所)】           【高千穂の郷土料理】

                               以上 (取材日:平成29年10月6日)
                                           奥村春香